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ー児童発達支援における視覚支援の取り入れ方とは?わかりやすい環境づくりのコツー

発達に特性のあるお子さまにとって、言葉だけの説明では理解が難しいこともあります。そこで役立つのが「視覚支援」です。児童発達支援の現場でもよく使われており、家庭でも取り入れやすい方法です。今回は、視覚支援の取り入れ方や効果について、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

 

視覚支援とは何か?

まずは視覚支援の基本を理解することが大切です。視覚支援とは、見てわかる形で情報を伝えるサポート方法のことです。

 

視覚支援の目的と役割

視覚支援の主な目的は、お子さまの理解力や見通しをサポートすることです。発達に特性がある子どもは、耳で聞いた情報よりも、目で見た情報の方が理解しやすいことがあります。視覚的に情報を整理することで、不安や混乱を減らし、行動をスムーズに促すことができるのです。

 

活用される場面

視覚支援は、以下のようなさまざまな場面で活用されています。

生活スケジュールの提示

行動手順の説明

感情の整理や表現

注意喚起や指示の視覚化

このように、日常生活の中で視覚的なサポートは多くの場面で効果を発揮します。

 

視覚支援の具体的な取り入れ方

視覚支援は、児童発達支援の施設だけでなく家庭でも実践可能です。無理のない範囲で始めてみましょう。

 

1. スケジュールボードの活用

スケジュールボードは、1日の流れや活動内容を子どもに伝えるのに有効です。イラストや写真を使って、「起きる」「ごはん」「トイレ」「遊び」などの行動を順番に示すことで、子どもが先の予定を把握しやすくなります。予定が可視化されることで、不安の軽減や切り替えの促進にもつながります。

 

2. ピクトグラムや絵カード

言葉で伝えるよりも、視覚的に情報を示すことで理解を助けるのが絵カードやピクトグラムです。トイレの使い方や手洗いの手順など、手順が必要な行動に特に効果的です。持ち運びができるようにカードリングにまとめると、外出先でも活用できます。

 

3. 感情カードや気持ちメーター

自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しいお子さまには、表情のイラストを使った「感情カード」や「気持ちメーター」が役立ちます。「いま、どんな気持ち?」と聞きながら、カードを指さしてもらうことで、気持ちの理解や共有がスムーズになります。

 

4. 写真や実物の使用

抽象的な絵よりも、具体的な写真や実物を使うとより効果的な場合もあります。たとえば、「おやつ」と言葉で伝える代わりに、実際のおやつの写真を見せることで理解が深まることがあります。特に初めての場所や活動では、写真が安心材料になります。

 

視覚支援のポイントと注意点

視覚支援は便利ですが、すべての子どもに同じ方法が合うわけではありません。実践するうえでのポイントを押さえておきましょう。

 

子どもに合った方法を選ぶ

子どもによって視覚支援の受け取り方には差があります。イラストが好きな子もいれば、写真の方がわかりやすい子もいます。いろいろ試しながら、その子に合った支援方法を見つけることが大切です。

 

継続することが大切

1回だけでは効果が出にくいこともあります。視覚支援は、継続して取り入れることで徐々に子どもが慣れていき、理解が深まります。日常に自然と組み込むことが理想です。

 

否定や強制はしない

「これを見てやりなさい」と無理に押しつけると、かえって逆効果になることがあります。あくまで子どものペースに合わせ、やさしく導くようにしましょう。

 

まとめ

児童発達支援における視覚支援の取り入れ方は、子どもが安心して日常生活を送るうえでとても役立ちます。スケジュールボードや絵カード、感情カードなどを通じて、子ども自身が見通しを持ちやすくなり、自己肯定感や自立心の育成にもつながります。無理のない範囲で、楽しみながら取り入れてみてください。

2025.03.21